Bob Dylan - A Hard Rain's A-Gonna Fall - はげしい雨が降る和訳-[洋楽解説] 月夜ニ君ノ詩想フ♪

【開／閉】

本日の１曲

ボブ・ディランの「はげしい雨が降る」🌧

2nd『フリーホイーリン・ボブ・ディラン（The Freewheelin' Bob Dylan）』（1963年）。

映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』、来年2025年2月28日公開。

歌詞和訳

ああ、ずっとどこにいたんだい？青き瞳の我が息子よ。
そして、ずっとどこにいたんだい？最愛の我が子よ。
僕は、ずっと１２の霧深き山々（※１）の山腹でつまずいてたよ。
僕は、ずっと歩き、そして、６つの曲がりくねったハイウェイを這ってきた。
僕は、ずっと７つの哀しき森の真ん中に足を踏み入れていた。
僕は、ずっと１ダースの死せる海の前にいた。
僕は、ずっと墓地の口の中へと１万マイルだった。

そして、激しく、激しく、激しく、激しく、、
そして、はげしい雨が降りだすのだろう。。

ああ、なにを見たんだい？青き瞳の我が息子よ。
そして、なにを見たんだい？最愛の我が子よ。
僕は、生まれたての赤ん坊とその周りに野生の狼を見たのさ。（※２）
僕は、その上には誰もいないダイヤモンドのハイウェイを見たのさ。
僕は、滴り続ける血で真っ黒な枝を見たのさ。（※３）
僕は、血塗られたハンマーを持つ男達で溢れかえる部屋を見たのさ。
僕は、水に浸かってしまった白いはしごを見たのさ。
僕は、舌を切られた１万人のおしゃべりたちを見たのさ。
僕は、幼き子供らの手に、銃と鋭い剣を見たのさ。

そして、激しく、激しく、激しく、激しく、、
そして、はげしい雨が降りだすのだろう。。

そして、なにを聞いたんだい？青き瞳の我が息子よ。
そして、なにを聞いたんだい？最愛の我が子よ。
僕は、雷鳴を聞いたんだ。それは、大声で警告をわめいていたよ。
世界中を溺れさせる波の轟きを聞いたんだ。
百人の鼓笛隊のドラマーの手が焼けつくほどの音を聞いたんだ。
1万人のささやき声が聞こえたけど、誰も聞いちゃいなかった。
一人だけが飢えに苦しみ、多くの人々が笑ってるのを聞いたんだ。
貧困街で死んでしまった詩人の唄を聞いたんだ。
路地でピエロがすすり泣く声をを聞いたんだ。

そして、激しく、激しく、激しく、激しく、、
そして、はげしい雨が降りだすのだろう。。

ああ、誰に会ったんだい？青き瞳の我が息子よ。
そして、誰に会ったんだい？最愛の我が子よ。
僕は、死んだポニーに寄り添う幼い子供に出逢ったよ。（※４）
僕は、黒毛の犬を散歩させる白人に出逢ったよ。（※５）
僕は、若い女性に出逢った、彼女の身体は燃えてたよ。
僕は、若い少女に出逢った、彼女は僕に虹をくれたよ。
僕は、愛に傷ついた一人の男に出逢ったよ。
僕は、憎しみで傷ついたもう一人の男に出逢ったよ。

そして、激しく、激しく、激しく、激しく、、
そして、はげしい雨が降りだすのだろう。。

そして、今なにをするんだい？青き瞳の我が息子よ。
そして、今なにをするんだい？最愛の我が子よ。
僕は、雨が降り始める前に、戻ろうとしてる。
僕は、最も漆黒の森の奥へと歩いてゆくだろう。
人々がたくさんいて、みんな手ぶらな場所。
有毒の粒が、氾濫している場所。
谷間の家が、ジメジメと薄汚れた刑務所になる場所。
死刑執行者の顔が、いつも巧妙に隠されてる場所。
飢餓が醜悪な場所、魂が忘れ去られた場所。
黒が色彩になる場所、「ない」が「数」になる場所。（※６）
そして、僕はそれを伝え、考え、話し、そして呼吸する。
そして、山からそれを映し出す。そうすれば、全ての魂がそれを見れるんだ。
その時、僕は、沈み行くまで、海に立っているよ。
けど、僕は唄い始める前に、自分の唄を分かるのだろう。

そして、激しく、激しく、激しく、激しく、、
そして、はげしい雨が降りだすのだろう。。

注釈

※１twelve misty mountains：the Twelve Apostles Mountain Range
　　南アフリカのケープタウンにあるキャンプス湾を見下ろす山脈の一部

※２ローマを建国したとされる二人の兄弟は、狼に育てられたと言われている。

※３ダンテの「神曲」第13歌への言及であり、ダンテが自殺の森の
　　節くれだった木から黒い枝を折る場面で、木は血を流しダンテに話しかける。

※４a young child beside a dead pony
　　聖書、民数記、ジョン・スタインベック『赤い小馬』への言及。

※５ドアルトゥル・ショーペンハウアーへの言及。
　　彼は、生涯、たくさんのプードルを飼っており、すべてに
　　同じ名前（アートマ、つまり「世界の魂」）を付けていた。

※６米国における人種関係に関する特定の状況を示している可能性があり、
　　政府が有色人種を重要視していないため、
　　彼らが適切に参加できないことを指している。

Lyrics : Bob Dylan - A Hard Rain's A-Gonna Fall

フリーホイーリン・ボブ・ディラン [ ボブ・ディラン ]

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その他動画

公式音源は、こちらで、、

Bob Dylan - A Hard Rain's A-Gonna Fall (Official Audio)

1962年9月22日カーネギーホールの音源はこちら、、、

ジョーン・バエズとの共演映像はこちらで、、、

Bob Dylan & Joan Baez A Hard Rain's Gonna Fall (e una dura pioggia cadrà) 1976

解説・解釈

Netflixのライブ映像は、ロッキンにアレンジされているが、基本はフォークな弾き語り。

学生街の鄙びた喫茶店で、ロン毛にベスト・ベルボトムのジーンズ姿の若者たちが、

アコギを掻き鳴らし反戦を唄う姿が浮かんでくるのである。ん、ソレって日本？（笑）

大御所の純文学の名作を読んでる気がしてくるんだが、一語一句が深いんだなぁ。

理解しようとするには、西洋的発想、聖書的思想が、とんでもなく難しいわけです。

ところで、、若きボブ・ディランの映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』が、

来年公開なんですが、いやぁー、コレ観ちゃったんですよ。サングラスかけるとそっくり。

ＳＮＳ情報

ほんとにティモシー・シャラメが歌ってるようなんですわ。あら、声も似てるかも。

『#名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
　　╋━ 　特報映像解禁　━╋

何者でもなかった #ボブ・ディランの
伝説の幕開けを描く物語

圧巻のパフォーマンスで歌い、演じる#ティモシー・シャラメ👨‍🎤#ジェームズ・マンゴールド監督最新作
𝟮𝟬𝟮𝟱年公開の大注目作品🎬https://t.co/X5ndKQJV9v pic.twitter.com/NyRuJOglkI
— サーチライト・ピクチャーズ (@SearchlightJPN) September 23, 2024

気になる映画

『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』、来年2025年2月28日公開のようです🎬

✦•┈┈┈┈┈┈┈┈┈#ティモシー・シャラメ主演最新作
『#名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈•✦

🎸2/28(金)公開決定🎸
▕ ▌予告映像解禁▕ ▌

20世紀最大のカリスマ
❬❰#ボブ・ディラン❱❭の栄光と
誰もが心揺さぶられる苦悩とはー?
歌唱シーンは全てシャラメ本人🎤 pic.twitter.com/N6RkktseeQ
— サーチライト・ピクチャーズ (@SearchlightJPN) October 23, 2024

参考・出典

「はげしい雨が降る」Wikiによると、、、

ボブ・ディランが作詞・作曲・演奏・歌唱した楽曲。旧邦題「今日も冷い雨が」。

アルバムのライナー・ノーツには1962年10月に書かれたと記載されているが、
9月には書き始められたとみられカフェ「ガスライト」などで演奏、
9月22日、オールスター・フーテナニーの一員としてカーネギー・ホールに
初出演した際にも演奏されている。

1963年4月26日、シカゴのラジオの番組『Studs Terkel's Wax Museum』
の録音でディランは「はげしい雨が降る」他を演奏。

番組中、この歌がキューバ危機の問題が持ち上がった時期に書かれたもので、
この先の人生も長くなさそうだと思い、新しく書くつもりだった歌を、
この1曲に詰め込んでみたと話している。

しかし「はげしい雨」が核ミサイル攻撃による「放射能の雨」、
「放射性降下物」という解釈については否定をした。

「A Hard Rain's a-Gonna Fall」英語版Wikiによると、、、

この曲は、苦しみ、汚染、戦争を伝えるアルチュール・ランボー風の
象徴的なイメージが特徴で、ディランは、歌詞はすべて
「書く時間はないと思っていた」曲の最初の行から取ったものだと語っている。

ディランは回想録「クロニクルズ：ボリューム1」で、ニューヨーク公共図書館で、
マイクロフィルムの新聞を読んでいるときに感じたことがインスピレーションの元に
なったと述べている。
「しばらくすると、感情の文化、暗い日々、分裂、悪に対する悪、
　道を踏み外した人間の共通の運命以外には何も気づかなくなる。
　それはすべて1つの長い葬送歌だ。」

この歌のリフレイン部分は核放射性降下物を指していると示唆する者もいるが、
ディランはそれが具体的な言及ではないと反論した。
1963年のスタッズ・ターケルとのラジオインタビューでディランは次のように語っている。
「いいえ、それは原子の雨ではない。ただの激しい雨だ。
　放射性降下物の雨じゃない。僕が言いたいのは、
　何らかの終わりが必ず起こるということだ..
　最後の詩で「毒の粒が海に溢れている」と言うとき、
　それは人々がラジオや新聞で聞かされるすべての嘘を意味する。」