本日の１曲
ジョニ・ミッチェルの「コヨーテ」🐺8thアルバム『逃避行（Hejira）』（1976年）より。
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Live at Gordon Lightfoot's Home with Bob Dylan & Roger McGuinn, 1975
歌詞和訳
後悔などないわ、コヨーテ（※１）。私たち、まさに全く異なる環境から来ている。
スタジオで、一晩中、起きている私。
そしてあなたは、牧場で早起きしてる。
繁殖牝馬の尻尾を、払いのけてるんでしょ。
太陽が昇ってるあいだじゅうね。
そして私は、オープンリール（※２）持って家に帰る。
理解力がないわけよ。
骨と皮とその瞳に、どれくらい接近してるのか。
あなたが手に入れる、唇にも。
そして今なお、ひどく孤独を感じてる。
そして今なお、繋がりを感じてる。
どこかの中継局みたいに。
あなたは、ひき逃げ犯じゃないわ、いいえ、いいえ。
全速力で走り去って行く。
あなたは、ちょうどヒッチハイカーを拾ったところよ。
フリーウェイの白線の囚われ人。
私たちは、農家が焼け落ちるのを見ていた。
人里離れた、辺ぴな場所で、
夜のしじまに、
そして、その悲劇のそばを、通り過ぎて行った。
道路沿いの宿の灯りと化すまで。
そこでは、地元のバンドが演奏していた。
地元の人々は、床を蹴ったり揺れたりしてた。
気が付くと、
あのコヨーテが、私の扉の前にいたのよ。
彼は、私を隅にくぎづけにして、拒否を受け入れない。
私をダンスフロアに引きずり出す。
そして私たちは、密接に、ゆっくりと踊ってる。
今、彼の家には、女がいる。
彼は、別の女性を、ホールに連れ行く。
彼は、とにかく、私を欲しがっているようだ。
どうして、そんなに酔わなきゃならなかったの？
そして私を、そっちに導くわけ？
あなたは、ちょうどヒッチハイカーを拾ったところ。
フリーウェイの白線の囚われ人。
コヨーテを真正面から見たのよ。
古い故郷の近くの、バルジェニー（※３）へ向かう道路で、
彼は、ひげ小麦の中を走り抜けて行った。
賞金を狙って、
そして鷹が、彼と一緒に遊んでた。
コヨーテは、真っ直ぐ飛び上がって、言い寄ってた。
彼は、あなたと同じような瞳をしていた。
サングラスの下の瞳は、
公共の部屋を、内密に調査して、
番号の付いた扉の鍵穴から覗いてる。
そこは、 演者たちが、傷を癒やすところ。
そして、ひとときの恋人を連れ込んで、
この情熱的な演奏を乗り切るための錠剤と粉末。
後悔はしてないよ、コヨーテ。
私はただ、離れて降りる。
あなたは、ちょうどヒッチハイカーを拾ったところ。
フリーウェイの白線の囚われ人。
コーヒーショップのコヨーテ。
彼は、スクランブルエッグを、穴が開くほど見つめてる。
その指に、私のにおいを嗅ぎつける。
その間も、ウェイトレスの足を眺めてる。
ファンディ湾（※４）から遥か彼方に離れ過ぎた。
アパルーサ（※５）とワシと潮流から、
そしてエアコン完備の個室、
カーボン・リボン・ライド（※６）は、
すごくはっきりと綴ってゆく。
彼は、立ち上がり闘わねばならないだろう。
さもなくば、ここから出て行くか。
私も、自ら逃げようとしていた。
逃げて、自分のエゴと格闘するために、
この炎と共に、
あなたはここに、こんなエスキモーを入れたのよ。
このヒッチハイカーの中に、
この囚われ人の中に、
細い白線の、、
自由なフリーウェイの白線の囚われ人。。
注釈
※１Coyote：コヨーテ
コヨーテ - Wikipedia
食肉目イヌ科イヌ属に分類される食肉類。オオカミに近縁で、形態も似るが小型。極近くを除く北アメリカ大陸に広く分布。オオカミの衰退に乗じ、分布を広げつつある。
当時、ディランの映画『レナルドとクララ』のシーンを書くのを手伝っていた、
サム・シェパードのことであると言う説が濃厚のようです。
サム・シェパード - Wikipedia
アメリカ合衆国イリノイ州出身の俳優・劇作家。俳優としてよく知られているが、本職は劇作家である。
※２reel-to-reel：オープンリール
オープンリール - Wikipedia
磁気テープメディアのパッケージのうち、テープを巻いた状態のリール単位で扱うメディア形態の総称。
※３Baljennie：バルジェニー
Baljennie - Wikipedia
カナダ、サスカチュワン州、グレンサイド地方自治体 No. 377にある非法人コミュニティ。
※４the Bay of Fundy：ファンディ湾
ファンディ湾 - Wikipedia
北アメリカの大西洋岸にある湾。メイン湾の北東端、カナダのニューブランズウィック州とノバスコシア州の間に位置し、ごく一部はアメリカ合衆国のメイン州にも面している。
※５Appaloosa：アパルーサ (馬)
アパルーサ (馬) - Wikipedia
アメリカ原産のウマの品種で体の斑点が特徴である。体のタイプは種類が多く、改良の歴史に現われた品種の影響がみえる。毛色は原毛色の上に斑文が重なり、遺伝的に引き継がれた結果である。
※６carbon ribbon rides：カーボン・リボン・ライド
タイプライターの印字用リボンテープのこと？
※７Eskimo：エスキモー
エスキモー - Wikipedia
北極圏のシベリア極東部・アラスカ・カナダ北部・グリーンランドに至るまでのツンドラ地帯に住む先住民族グループである。
Lyrics : Joni Mitchell "Coyote"
その他動画
公式音源はこちらで、、、
Coyote
Provided to YouTube by RhinoCoyote · Joni MitchellHejira℗ 1976 Asylum RecordsPercussion: Bobbye HallBass Guitar: Jaco PastoriusAcoustic Guitar: Joni Mitche...
ザ・バンドが1976年11月25日にサンフランシスコのウインターランドで行った
解散ライブ『ラスト・ワルツ (The Last Waltz) 』の映像はこちらで、、、
Joni Mitchell - Coyote (The Last Waltz)
1976
解説・解釈
かなりハードなボブ・ディランとの「ローリング・サンダー・レヴュー」ツァーでの、コカイン依存、そして肉食系の「コヨーテ」こと、サム・シェパード氏の恋愛模様。
にしても、昨今「コヨーテ」のようにギラギラした男とか、めっきり見かけない時代よね？！
「A prisoner of the white lines on the freeway（フリーウェイの白線の囚われ人）」
という絶妙な一文で、見事に彼女の世界に描かれている。。やっぱり凄いんだよなぁ。
ＳＮＳ情報
In 1975, Joni wrote “Coyote” during a pivotal time, wrapping up her tour and joining @BobDylan’s Rolling Thunder Revue. Featured on ‘Hejira,’ the song reflects her whirlwind romance with Sam Shepard, exploring the complex emotions of their fleeting connection.
— Joni Mitchell (@jonimitchell) October 3, 2024
Listen to “Intro… pic.twitter.com/FzBHRVDjV0
1975年、ジョニはツアーを終え、@BobDylanの
ローリング・サンダー・レヴューに参加した重要な時期に
「コヨーテ」を書いた。
「Hejira」に収録されているこの曲は、彼女とサム・シェパードの
激しい恋愛を反映し、彼らのつかの間の関係の複雑な感情を探求している。
参考・出典
「コヨーテ (曲)」Wikiによると、、、ボブ・ディランの大規模ツアー「ローリング・サンダー・レヴュー」で、
ジョニ・ミッチェルは1975年11月13日からコンサートツアーに同行した。
11月26日のメイン州オーガスタでの公演でミッチェルは最初に本作品を披露した。
歌う前に彼女はこう紹介している。
「目まぐるしい日常を見ながら…この曲は…この曲は昨日書いたばかりのものです」
ツアーを撮影したフィルムはのちにマーティン・スコセッシによってまとめられ、
映画『Rolling Thunder Revue: A Bob Dylan Story by Martin Scorsese』
として2019年6月に公開された。
ゴードン・ライトフットのトロントの自宅でミッチェルがロジャー・マッギン、
ボブ・ディランらと「コヨーテ」を演奏する映像が含まれている。
ミュージシャンののアシスタントを務めたクリス・オーデルは、
「コヨーテ」は自身とミッチェルとサム・シェパードとの関係が反映された
作品だと主張している。
サム・シェパードは1972年と73年の夏、実際にノバスコシア州のファンディ湾
にあるアドボケート・ハーバーのコテージで暮らしていた。
こちらの記事によると、、、
ジョニ・ミッチェル、心に響く楽曲10選 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン）
ジョニ・ミッチェルの半世紀にわたる活動の中で最も心に響く10曲は？ジョニ・ミッチェルはフォークソングを歌うことからキャリアをスタートさせた。それと同時に、ジュディ・コリンズ、フェアポート・コンベンションなどのミュージシャンの楽曲の作詞家とし
「コヨーテ」には少々トリッキーでガタガタ言う長いバース（Bメロ）がある。
主人公とはまったく違う生き方の女たらしの男との恋愛を歌っているようだ。
