本日の1曲
ミューズの「ストックホルム・シンドローム」☆彡3rdアルバム『アブソルーション(Absolution)』 (2003年) より。
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Live from Stade de France, Paris 2010歌詞和訳
行く手を阻むつもりなどない。おまえの憎悪を育め。
すると、彼女は悲鳴をあげ、叫び、祈るだろう。
自分には名があった、そう、名前を持っていたと。(※1)
行動を制止するつもりなどない。
おまえの怒りを奮い立たせろ。
すると、我々は飛び、落下し、燃えるだろう。(※2)
思い起こすものなど誰もいない、誰も思い起こさないだろう。
これが最後だ、おまえを見捨てやる。
これが最後だ、おまえを忘れてやる。
そうできればいいのだが、、
星に目をむけよ。
おまえの瞳に、希望の火を燃やせ。
すると、我々は、愛し合い、憎み合い、死んでゆくだろう。
全てが無駄になる、全てが無駄だ。
これが最後だ、おまえを見捨てやる。
これが最後だ、おまえを忘れてやる。
そうできればいいのだが、、
これが最後だ、おまえを見捨てやる。
これが最後だ、おまえを忘れてやる。
そうできればいいのだが、、
そうできればいいのだが、、
注釈
※1犯人(I)が、彼女を人質にしたことを後悔していることを語ってると思われる。「彼女には名前があった」というのは、彼女があまりにも抵抗したために、
ストックホルム症候群が起こらず、犯人が彼女を殺したことを示している。
※2犯人は人質を連れて逃げたいと思っているが、おそらく長続きしないと
分かっているため、逃げられないことを暗示している。
また、ダイダロスとイカロスのギリシャ神話にも言及している。
Lyrics : Muse "Stockholm Syndrome"
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MVはこちらで、、、2004年のグラストンベリー・フェスティバルがカッコよすぎる❣
ストックホルム症候群について
そもそも、この題名、「ストックホルム症候群」ってのが、興味深いのね。50年前の「スウェーデンのノルマルム広場強盗事件」から生まれた言葉。
マシンガンで武装した犯人が、銀行に押し入り9人の行員を人質に取り6日間立てこもった。
テレビで生中継され、犯人の要求は、現金と服役中の友人の解放、逃走の確保だった。
ところが、人質たちは何故か犯人から逃げようとせず、警察の方を怖がるようになったと言う。
第1に人質の側に、人質をとっている人物に対する愛着や、時には愛情さえもが生まれる。
第2に今度はそれに報いる形で、人質をとっている側が反対に人質を気遣うようになる。
第3に両者がそろって「外界」に対する軽蔑を抱くようになる。
人質というのは、一旦拘束され究極の死の恐怖を味わい、その後で、トイレや食物といった、
『命の贈り物』を与えられているという錯覚(幼児が母親の近くにいたときのような感覚)を
抱くようになって、、犯人を擁護したり、好意的な感情をもつようになるのだという。
しかし最近では、そんな症候群は存在せず、人質が犯人に好意的感情を抱くというりも、
この事件、警察側の対応が強引過ぎたことに対する不信感だったという捉え方もあるよう。
解説・解釈
この曲は、犯人(加害者)の視点から描かれているようで、「I」が、「立てこもり犯」で、「SHE,YOU」が「人質」ということ?「犯人」の心に生じた倒錯した愛情を感じてしまう。
メロディアスでありながら、精神を病むかのような耳障りな爆音、まさにダークな楽曲が、
犯人と人質という極限状態が創り出す、暴力的で破滅的な愛を、見事に表現していると思う。
この爆音でありながらディスコを感じるリフが、すごーく癖になるんですが、ライブになると、
この曲の終盤に、耳がイカれそうになるくらいヘヴィーに、3人がジャムるのが好いのよ♪
2004年のグラストンベリーとか、アンプ倒して仁王立ちするマシューが恐ろしくカッコイイ。
ベースのクリスは観客に乱入、最終的にはドラムセットは破壊される。コレ必見!(後述)
我が「MUSE」のイメージは、この破壊的爆音ライブにより形成されてしまったのである。
SNS情報
ん、この曲のMVって2本あったようです。Absolution Track Five - Stockholm Syndrome
— muse (@muse) October 13, 2023
The first single released from Absolution back in 2003. Two music videos were recorded... which is your favourite?
Pre-order the new Muse Absolution XX Anniversary boxset here: https://t.co/SmRM19xcA3 pic.twitter.com/q0Am5l4Vx7
参考・出典
「Stockholm Syndrome (Muse song)」英語版Wikiによると、、、3枚目のスタジオアルバム「アブソリューション」(2003年)に収録されている曲で、
アルバムの最初のシングルとして2003年7月14日にリリースされ、
アブソリューションのライブDVDにも収録されている。
ストックホルム症候群は、誘拐された人質に時々見られる心理的反応であり、
人質が置かれた危険性(または少なくともリスク)に関係なく、
人質は犯人への忠誠の兆候を示す。
曲の歌詞は、被害者の視点ではなく、加害者の視点を取り入れている。
この曲のライブ演奏のほとんどでは、その後にいくつかの楽器リフとジャム
(通常は2つまたは3つ)が続く。
これにより、場合によっては曲の演奏が10分近く続くこともあり、最も有名なのは、
2004年のグラストンベリー・フェスティバルでのバンドのヘッドライナー出演である。
「Stockholm Syndrome (Muse song)」英語版MuseWikiによると、、、
ドムとマットによると、当初この曲はリッチ・コスティのアイデアにより、
静かで甘美な曲になり、徐々に盛り上がっていく予定だった。
「最初は本当に静かだったが、本当に壮大なものがあった」が、
「レコーディングの直前に変更された。元々は奇妙で静かなリフだけだった」が、
その後、巨大で怪物のようなコーラス・リフとエンディングで作り直され、
非常にヘビーな効果をもたらしたという。
ドムは次のように説明している。
「『ストックホルム症候群』は、拉致された相手に恋に落ちるという病気だ。
1973年に銀行強盗団が銀行を襲撃し、6人を人質に取った事件が
テレビで報道されたが、人質は裁判で犯人を守り、
人質の1人が犯人の1人と結婚した。」
この曲はマシュー・ベラミーによってピアノで作曲されたが、ギターとシンセサイザー
の両方で録音された。その後、マットは両方の音をミックスした。
メインのリフはシステム・オブ・ア・ダウンに触発された。
ミューズ歌詞和訳一覧
(2009/04/26 の投稿を更新しました)
13拍手👏ありがとうございました。