ボブ・ディランの「戦争の親玉(マスター・オブ・ウォー)」☆彡
2nd『フリーホイーリン・ボブ・ディラン（The Freewheelin' Bob Dylan）』(1963年)。
Sidney, Australia, February 24th, 1986
来いよ、ヤツこそ、戦争の親玉。
大砲を造る、ヤツ。
死の飛行機を造る、ヤツ。
あらゆる爆弾を造る、ヤツ。
壁の背後に隠れている、ヤツ。
机の背後に隠れている、ヤツ。
僕は、ただ、ヤツに知って欲しいんだ。
僕には、ヤツの仮面を通して見えるんだ。
破壊するために構築する以外、決して何もしなかった、ヤツ。
ヤツは、僕の世界で遊ぶ。
まるで、ヤツのちっちゃなおもちゃのよう。
ヤツは、僕の手に銃を握らせる。
そして、僕の目から隠れる。
ヤツは、向きを変えてはるか遠くに逃げる。
弾丸が、素早く飛び交うときには。
いにしえのユダ（※１）のように、
ヤツは、嘘をつき、だます。
世界大戦に、勝利できるなどと。
ヤツは、僕に信じて欲しいんだ。
けど、僕には、ヤツの瞳を通して見える。
そして、ヤツの脳を通して見える。
まるで、一瞬にして排水管を流れ落ちる水を通して見るように。
すべての引き金を固定する。
他の人が、発砲するために。
それから、後ろに引っ込んで見張ってる。
死者の数が、増え続けるあいだずっと。
ヤツは、お屋敷に隠れてるのさ。
若者たちの血が、その身体から流れ出て、
泥に埋もれているあいだずっと。
ヤツは、最悪の恐怖を投じてしまった。
かつて浴びせられてきた中でも、最悪の恐怖。
世界に子供たちを産み落とすことへの恐れ。
まだ生まれていない、名もなき僕の赤ん坊を脅かすため。
ヤツの血管を流れる血には、価値がない。
僕は、どれくらい知ってるのか？
間違って言ってること。
ヤツは、僕が若いと言うかもしれない。
僕が、無学だと言うかもしれない。
けど、僕には、分かってることが一つある。
僕は、ヤツより若いけど。
イエスでさえ、ヤツがすることを、決して許さないと。
一つ質問させてくれ。
お金って、そんなに大事なのか？
お金で、許しを買うのかい？
そんなことできると思うのかい？
気付いてるんだよね。
自分が、犠牲となったとき、
稼いだすべてのお金で、
自分の魂を買い戻すことなど、決してありえないのだと。
そして、僕はヤツの死を願っている。
ヤツの死は、すぐにやってくるだろう。
僕は、ヤツの棺に、ついて行くよ。
おぼろげな午後まで。
そして、ヤツが死の床に下ろされてるあいだ、僕は見てる。
そして、僕はヤツの墓の上に立つだろう。
ヤツが死んでいると確信するまで。。
※１Judas：イスカリオテのユダ
イエスの十二使徒の一人。 イスカリオテのユダとよばれる。
イエス・使徒たち一行の会計係を務めたが、
祭司長らに銀貨30枚でイエスを売り、のち、悔悟して自殺。
イスカリオテのユダ - Wikipedia
新約聖書の4つの福音書、使徒言行録に登場するイエスの弟子のうち特に選ばれた十二人、いわゆる使徒の一人である。
Lyrics : Bob Dylan "Masters of War"
トム・ペティとのロッキンなヴァージョンをチョイスしてみました♪♪
公式音源はこちらで、、、
Bob Dylan - Masters of War (Official Audio)
“Masters of War" by Bob DylanListen to Bob Dylan: https://bobdylan.lnk.to/listenYDSubscribe to the Bob Dylan YouTube channel: https://bobdylan.lnk.to/_subscr...
エド・シーランがカバーしていたよ、こんな激しい曲も唄うんだねぇ。（驚）
Ed Sheeran - Masters of War (Acoustic Cover)
Ed Sheerans Cover von Bob Dylans Master of War.Chords: http://dylanchords.info/02_freewheelin/masters_of_war.htm
Genius Lyrics 注釈によると、、、
ディランの最も激しい歌の1つである「戦争の親玉」は、
ベトナム戦争だけでなく、戦争全般に抗議している。
それは戦争の本質を示している。
戦争を開始し、組織化する「マスター」は、家で安全だが、
通常の（そして通常は若い）人々は、戦いに出て、
自分たちの生命を脅かされることを、余儀なくされている。
この曲はまた、双方で損失が非常に大きいときに、戦争で、
本当に「勝つ」ことができるかどうかなどの哲学的な質問についても説明している。
ディランは中世後期のイギリスのフォークソング「ノッタムン・タウン」から
メロディーを借用した。この曲は、1960年にジーン・リッチーが録音し、
フォークリバイバルコミュニティに持ち込むまで忘れられていた。
Nottamun Town
Provided to YouTube by Rhino/ElektraNottamun Town · Jean RitchieMountain Hearth & Home℗ 1957 Elektra Entertainment GroupProducer: Jac HolzmanDulcimer, Guitar...
「Masters of War」Wiki英語版によると、、、
1961年1月17日、ドワイト・D・アイゼンハワー大統領は大統領執務室から、
別れの挨拶を行った。このスピーチで、彼は次のように警告した。
「軍産複合体による、求められているかどうかにかかわらず、
不当な影響力の獲得を防ぐ必要がある。」
2001年9月10日にUSAトゥデイで公開されたインタビューで、
ディランは彼の歌をアイゼンハワーのスピーチにリンクし、次のように述べている。
「『戦争の親玉』…戦争に反対する平和的な歌になるはずだ。
反戦の歌ではありません。
それは、アイゼンハワーが大統領職から脱退する際に、
軍産複合体と呼んでいたことに反対しているんだ。
その精神は空中にあり、それを拾った。」
軍産複合体とは、、
軍需産業を中心とした私企業と軍隊、および政府機関が形成する
政治的・経済的・軍事的な勢力の連合体を指す概念である。
アメリカでの軍産複合体は、軍需産業と国防総省、議会が形成する
経済的・軍事的・政治的な連合体である。
・・・っと、難しいんですが、、まあ結局、こーいう事ですかねぇ？？
最大手ロッキード社の株価は史上最高値に…米国の軍需産業が儲かる限り､ウクライナ戦争は終わらない ウクライナは｢兵器の実験場｣になっている
ロシア軍のウクライナ侵攻は12月24日で10カ月になるが、ロシアの代表的な国際問題専門家、ドミトリー・トレーニン氏は最近の論文で、「双方に決め手がなく、越年どころか、今後数年続くことを覚悟したほうがいい」…
コレって、米に限らないことで、東西問わず、存在し続けてる悲しき現実。。
