ビートルズの「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」🔨
12thアルバム『アビイ・ロード(Abbey Road)』より。。
ジョアンは、いぶかしげに、お家でパタフィジカル科学(※1)を勉強してた。
深夜、試験管を持って、たった独りで、ああ、ああ、ああ、ああ。
マクスウェル・エジソンは、医学専攻。
電話で、彼女を呼び出す。
「僕と映画に行かないかい、ジョアン?」
けど、彼女が出かける準備をしていると、
ドアをノックする音。
バン!バン!マクスウェルのシルバー・ハンマー。
彼女の頭に、不意に襲いかかる。
ガチャン!ガチャン!マクスウェルのシルバー・ハンマー。
彼女は、確かに死んでいた。
再び学校に戻って、マクスウェルは、またおバカさんを演じる。
先生は、イライラ。
不愉快な場面を、避けたいと思いながら。
クラスみなが出て行ったときに、彼女は、マックスに、とどまるように言う。
だから、彼は残ってる。
「僕は、そんなことしちゃいけない。」と、50回書きながら。
けど、先生が、男の子に、背を向けたとき、
彼は、後ろから、忍び寄る。
バン!バン!マクスウェルのシルバー・ハンマー。
彼女の頭に、不意に襲いかかる。(Do-do-do-do-do)
ガチャン!ガチャン!マクスウェルのシルバー・ハンマー。
彼女は、確かに死んでいた。(Do-do-do-do-do)
巡査(※2)31番は、「犯罪者を捕まえた」と言った。
マクスウェルは、独り立っている。
証言の絵を描きながら、ああ、ああ、ああ、ああ。
ローズとヴァレリーは、傍聴席から叫んでいる。
彼は釈放されねばならないと言ってる。(マクスウェルは、釈放されねばならない)
裁判官は同意せず、彼らにそう言った。
しかし、その言葉が彼の唇をから発せられると、
背後から、音がしてくる。
バン!バン!マクスウェルのシルバー・ハンマー。
彼の頭に、不意に襲いかかる。(Do-do-do-do-do)
ガチャン!ガチャン!マクスウェルのシルバー・ハンマー。
彼は、確かに死んでいた。
Whoa, whoa, whoa-oa
(Do-do-do-do-do)
(シルバー・ハンマー・マン)
※1pataphysical:パタフィジッカル パタフィジック
フランスの作家アルフレッド・ジャリの造語で、
形而上学の領域を超えたところにあるものを研究するために使われる哲学のこと。
現代科学の理論・方法のパロディで、ナンセンスな言い回しで表されることが多い。
※2P.C.=Police Constable:《主に英国で用いられる》 巡査(最下位の警察官)
Lyrics : The Beatles "Maxwell's Silver Hammer"
アビイ・ロード【50周年記念1CDエディション】 [ ザ・ビートルズ ]
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ゲット・バック・セッションでもやってたんだぁ。。
ザ・ビートルズ:Get Back DVDコレクターズ・セット [ ザ・ビートルズ ]
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ビートルズ史上、もっとも不気味とされる、奇々怪々なこの曲、、
この不条理極まりない(道理に合わない、筋の通らない)世界を描きたかったのか?
そもそも、不気味な印象が際立つシュールレアリズムな芸術なのか?ダリ的な??
ふむ、そこに隠された真の意味があるのかとか、考えちゃいけない気がしてきたよ。
「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」Wikiによると、、、
レノン=マッカートニー名義となっているが、ポール・マッカートニーの楽曲。
歌詞の内容は軽快な曲調に反して、マクスウェル・エジソンという医学生が
ジョアンという変わった女の子を映画を見に行こうと誘っておいて
銀のハンマーで撲殺するというところからはじまり、
自分が授業を妨害したことを咎めた女性教授と、
自分の事件の裁判長も撲殺するという、
ビートルズとしては非常に珍しい物騒なもの。
歌詞についてマッカートニーは、「人生の落とし穴を象徴する楽曲」と語っている。
マッカートニーは、本作の主人公となるマックスウェルの人物像について
「とてつもなく学究肌の男で、ストライプのネクタイにブレザーを着たお堅いタイプ」
「戯曲を書くのと同じで、その人物について知らなくても、
こっちで勝手に作ってしまえばいい」と語っている。
マッカートニー以外の3人は、本作に対して否定的に見ている。
レノンは、1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで語っている。
「嫌いな曲。覚えているのはレコーディングのことだけ。
ポールは、僕たちに100万回も演奏させた。
ポールは、この曲をシングルとして発表しようと、
できる限りのことを尽くしたけど、結局ダメだった。
もともと無理な話だったんだ」
ハリスンは、「この曲にはかなり時間を費やした」と語り、
スターも『ローリング・ストーン』誌で、語っている。
「最悪なセッションだった」
「何週間も延々と続いて、気がくるってしまうかと思った」
1966年1月10日の夜、マッカートニーは車でリヴァプールへ向かう中で、
BBCラジオの『ラジオ・タイムズ』を視聴し、アルフレッド・ジャリ作の
演劇『寝取られユビュ』に興味を示した。この演劇についてマッカートニーは、
「これまで生きてきたなかで、最も面白いラジオ演劇だった。
僕にとってはあの時代を代表する重大な出来事のひとつ」と語っている。
その後、同じくジャリ作の戯曲『ユビュ王』を感激したマッカートニーは、
前衛的な演劇に関心を持つこととなり、リンダ・マッカートニーは、
本作に登場する「パタフィジック」はこの戯曲からの影響としている。
ユビュ王 [ アルフレド・ジャリ ]
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この『ユビュ王』という戯曲、、、
主人公ユビュは、マクベス夫人を気どるユビュおっ母(かあ)にそそのかされて、
王位を奪い獲りとなり、貴族を皆殺しにして「お宝」を奪うが、
逆に追われる身となり諸国を流浪する。
「糞(くそ)ったれ」の語で始まり、全編卑語、造語、古語の飛び交うこの劇は、
当時のブルジョアを憤激させ、一大スキャンダルとなった。
その後この戯曲全体にみられる欲望の解放、人間の愚劣、不条理の具体的表現などにより
シュルレアリストたちの称賛を受け,今日では現代劇の先駆と認められている。