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Bob Dylan - Hurricane - 和訳

2022年8月13日

Bob Dylan

Bob Dylan - Hurricane

ボブ・ディランの「ハリケーン」☆彡

17nd『欲望(Desire)』(1976年)より。


Live on PBS, 1975

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夜の酒場に、ピストルの銃声が鳴り響く。
上のホールから、パティ・バレンタイン(※1)が入ってくる。
彼女は、血だまりの中に、バーテンダーを見る。
「なんてこと、皆殺しだわ!」と叫ぶ。

ハリケーン(※2)の話は、ここからだ。
権力が、罪を負わせた男。
やってもいないことで、
刑務所の独房に入れられたが、かつて、なり得たはずだった。
世界チャンピオンに。

そこに横たわる、3つの遺体。
パティは、見てる。
そして、ベロという名のもう一人の男が、
不可解そうに、動き回る。
「俺は、やっちゃいない」と言う。
そして、彼は手を上げる。
「俺は、レジ強盗してただけだ。
 分かってくれよ。」

「俺は、やつらが去るのを見たんだ」と彼は言い、止まる。
「どっちかが、警察を呼んだほうがいい」
それで、パティは、警察を呼ぶ。
そして、警察が、現場に到着した。
赤いライトを点滅させながら、
暑い、ニュージャージーの夜に。

その間に、遠く離れた、別の街で、
ルービン・カーターと数人の友人がドライブしている。
彼は、ミドル級王座の最有力候補のひとり。
どんな酷いことが降りかかろうとしているのか、分かるはずもない。

ひとりの警官が、彼に、道のわきへ車を寄せさせたとき、
その前も、その前も、同じようだった。
パターソン(※3)では、まさに、その通りなんだ。
君が、黒人なら、
街に出ないほうがいい。
災いに引っ張り込まれないように。

アルフレッド・ベロ(※4)には共犯者がいて、警官としゃべっていた。
彼と、アーサー・デクスター・ブラッドリー(※5)は、ちょうどうろついていた。
彼は「二人の男が、逃げて行くのを見た」と言った。
「やつらは、ミドル級ぐらいに見えたぜ。
 州外のナンバーを付けた、白い車に飛び込んだよ。」

ミス・パティ・バレンタインは、すぐに、うなずいた。
警官は言った、「ちょっと待って、おい、こいつは生きてるぞ。」
それで、彼を、病院に運んだ。
そして、この男は、ほとんど見ていなかったのだけれど、
警官は、彼が、犯人を特定できるはずだと、言った。

朝の4時、警官は、ルービンを引き摺り込む。
警官は、彼を病院に連行し、2階に連れて行った。
負傷した男は、死にかけている片目から見上げて、言う。
「どうして、彼をここに連れてきたんだ?
 彼じゃない!」

ハリケーンの話は、ここからだ。
権力が、罪を負わせた男。
やってもいないことで、
刑務所の独房に入れられたが、かつて、なり得たはずだった。
世界チャンピオンに。

4か月後、スラム街は炎上。(※6)
ルービンは南アメリカで、彼の名をかけ闘っている。
アーサー・デクスター・ブラッドリーがまだ強盗ゲームをしているあいだも。
そして警官は、彼に強要している。
罪を押し付ける誰かを探してるんだ。

「バーで起きた殺人事件を、憶えていますか?」
「逃走車を見たと言ったのを、憶えていますか?」
「司法に協力したいと、思いますか?」
「君が、あの夜逃げるのを見たのは、
 あのファイターだったかもしれないと思いますか?」
「自分が白人であることを、忘れないで。」

アーサー・デクスター・ブラッドリーは、「よく分からない」と言った。
警官は言った、「君のような哀れな少年は、休みたいはずだ。
私たちは、モーテルの件で、君を捕まえたんだ。
そして、私たちは、君の友人のベロとも話してる。
さあ、刑務所になんか戻りたくないだろう。
いいやつになりたいだろ。」

君は、社会に恩恵をもたらすだろう。
あのクソ野郎は、勇敢で、ますます勇敢になってゆく。
アイツを刑務所にぶち込むのさ。
この三重殺人の罪を負わせるんだ。
アイツにね。
アイツは、「ジェントルマン・ジム」(※7)じゃない。」

ルービンは、一発のパンチで男を倒せた。
しかし、彼はそれについて話すのは、さほど好きじゃなかった。
「僕の仕事なんです。」と彼は言った。
「そして、これが済んだら、すぐさま自分の道を行きたいんです。」

とある楽園まで、、
マスのいる小川が流れ、空気のいいところ。
そして小径に沿って、馬に乗る。
しかし、彼らは、彼を刑務所に連行した。
人間をネズミへと変えようとするところに。

ルービンのカードは、すべて事前にマークされていた。
裁判は、茶番劇だった。
彼には、チャンスなどなかった。
裁判官は、ルービンの証人を作り上げた。
スラム街の酔っぱらい、
見てたのは、白人たち、
彼は、革命家マニアだった。

黒人にとっては、彼はただのクレイジーなダチだった。
彼が引き金を引いたことを、疑う者はいなかった。
そして、彼らは、銃を製造することはできなかったが、
地方検事は、言った、彼が、犯人だと。
そして、真っ白な陪審員たちは、同意した。

ルービン・カーターは、不当な裁判にかけられた。
罪状は、「第一級殺人」。
誰が、証言したのでしょう?
ベロとブラッドリー、二人とも大胆に嘘をついた。
そして新聞も、彼らはみな、一緒にのっかった。

そんな男の人生を、一体どうできるのだ?
愚か者の手のひらに乗っけられた人生。
彼が、明らかに無実の罪を受けてるのが分かってる。
恥ずかしくて、仕方なかった。
正義がゲームであるという、国家に住むということが。

今では、すべての犯罪者が、コートとネクタイを着ている。
マティーニは、飲み放題。
そして、太陽が昇るのを見てる。
ルービンが、仏陀のように座っているあいだに。
10フィートの独房で、
無実の男の生き地獄。

そう、ハリケーンの話だ。
しかし、彼の濡れ衣をはらすまで、終わりはしない。
そして、失った時間を、彼に返してくれ。
刑務所の独房に入れられたが、かつて、なり得たはずだった。
世界チャンピオンに。

※1Patty Valentine:パティ・バレンタイン
  両方の裁判での証人。彼女はバーのすぐ上に住んでいて、
  銃声で目が覚めた。

※2Hurricane:ルービン・“ハリケーン”・カーター

ルービン・カーター - Wikipedia

ルービン・カーター - Wikipedia

アメリカ合衆国のボクサー。リングネームは『ハリケーン』。


※3Paterson:パターソン

パターソン (ニュージャージー州) - Wikipedia

パターソン (ニュージャージー州) - Wikipedia

ニュージャージー州パサイク郡にある都市であり、郡庁所在地である。p>


※4Alfred Bello:アルフレッド・ベロ
  事件の夜、強盗を犯すためにラファイエットの近くにいた
  軽犯罪者で、アルフレッド・ベロは、ルービン・カーターが犯したと
  される殺人の目撃者。

※5Arthur Dexter Bradley:アーサー・デクスター・ブラッドリー
  アルフレッド・ベロの共犯で事件の目撃者。

※61966年7月18日から7月23日まで、オハイオ州クリーブランドで
  ハフ暴動が発生した。人種的動機による暴動は、多数の放火と
  焼夷弾によって支配され、その期間中、地域全体が炎上した。

※7 Gentleman Jim:「近代ボクシングの父」ジェームズ J. コーベット

ジェームス・J・コーベット - Wikipedia

ジェームス・J・コーベット - Wikipedia

カリフォルニア州出身の男性プロボクサーで、近代ボクシングの先駆者である。通称は闘う銀行員。紳士的な人柄から「ジェントルマン・ジム」と呼ばれていた[1]。


Lyrics : Bob Dylan "Hurricane"



公式音源はこちらで、、、

Bob Dylan - Hurricane (Official Audio)

Bob Dylan - Hurricane (Official Audio)

“Hurricane" by Bob DylanListen to Bob Dylan: https://bobdylan.lnk.to/listenYDSubscribe to the Bob Dylan YouTube channel: https://bobdylan.lnk.to/_subscribeYD...



『欲望』Wikiによると、、、


「ハリケーン」は殺人の冤罪で投獄されたボクサー、
ルービン・ハリケーン・カーターの無実を訴えたプロテストソング。

「ハリケーン」は1975年7月には一度完成するが、
弁護士から事実誤認を指摘されたため、
10月24日に歌詞を直して再レコーディングし、
11月には早くも先行シングルとして発表。

なお、カーターは一旦釈放されたものの再び投獄。
1988年に釈放され、カーターの半生を元にした映画『ザ・ハリケーン』 (1999年公開)においては、サウンドトラックとして使用された。


ルービン・カーターWikiによると、、、


1966年6月17日、ルービン・カーターは、ニュージャージー州で
3人の白人を銃で撃ち殺したとして逮捕された。
凶器は発見されておらず、証言者の信用にも疑問がもたれていたが、
陪審員は全員が白人であり、状況はカーターに不利であった。
カーターは有罪とされ、終身刑に服する事となった。

1974年、カーターは自伝 "The Sixteenth Round" を出版し、冤罪を訴えた。
これは大きな反響を呼び、当時の公民権運動と結び付き、
著名人を巻き込んだ市民デモにまで発展した。

事件の証人たちが、司法取引による偽証を告白したため再審となったが、
証人は再び証言を翻し、判決は前回同様の終身刑となった。

しかしその後、カーターの支援者たちにより、
検察により隠蔽されていたカーターに有利な証拠が新たに発見された。
カーターたちは、違法な拘禁を防ぐための人身保護令状の発行を裁判所に求め、
1988年、最終的にカーターは自由の身となった。



ん、ハリケーンって名前だったのね。。冤罪の唄だったとは、知らなかった。。

すっごい大作過ぎたんだが、もはや途中で止められない、怒涛の展開が凄すぎた。。


そして、気が付くと、、タイフーンも上陸してしまっていた。。皆様、お気をつけて🌀


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