本日の1曲
ビリー・ジョエルの「ウィーン(ヴィエナ)」🎹5thアルバム『ストレンジャー (The Stranger) 』(1977年)より。。
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Live at SiriusXM’s Town Hall (2014)歌詞和訳
のんびりやりな、イカれちまった息子よ。おまえは、若さゆえ、ひどい野心家だ。
そうは言っても、そんなに賢いんなら、
教えてくれよ、どうして、まだ、そんなに恐れてる?うーん。
そんなに急いでどこに行くんだい?
燃え尽きる前に、落ち着いた方がいい。
おまえには、やることが山ほどあって、
一日は、限られた時間しかないんだよ、なあ。
だがね、真実が明らかになれば、分かることさ。
欲しいものを手に入れるか、ただ年を重ねるだけか、
おまえ、道半ばにして、くたばっちまうぜ、ああ。
いつになったら気付くんだ?ウィーン(※1)が待ってくれてるとさ。
のんびりやりな、おまえはうまくやってるさ。
与えられた時間で、なりたいものすべてになることはできない。
今夜、境界線上で、非常に情熱的だけれども、、今夜、
残念だが、それがおまえのおくってる人生だ。
おまえ、早とちりしてるよ、必要なものを忘れてる。
自分が間違っていると、分かってたとしても、
あのな、自分が正しいとは、いつもわかるとは限らないんだよ。
おまえは正しい。
おまえには情熱があり、プライドだってある。
だがな、満足するのは愚か者だけだって、知らないのかい?
夢を見続けるが、全部叶うなんて想像するなよ、ああ。
いつになったら気付くんだ?ウィーンが待ってくれてるとさ。
のんびりやりな、イカれちまった息子よ。
受話器を外したままにして、しばらく消えちまいな。
大丈夫さ、1日や2日失くしたって、おまえなら余裕だろ、ああ。
いつになったら気付くんだ?ウィーンが待ってくれてるとさ。
真実が明らかになれば、分かることさ。
おまえが欲しいものを手に入れるか、ただ年を重ねるだけか、
おまえ、道半ばにして、くたばっちまうぜ、ああ。
いつになったら気付くんだ?ウィーンが待ってくれてるとさ。
いつになったら気付くんだ?ウィーンが待ってくれてると、、
注釈
※1Vienna:ウィーンLyrics : Billy Joel "Vienna"
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MVはこちらで、、、若きライブはこちらで、、、
解説・解釈
この曲が、50年の時を経て、Z世代の女性たちに、響いてるらしい。この歌詞、長いあいだ音信不通だった、「ウイーン」に暮らすビリー・ジョエルの父親が、
息子に語ってる設定で描かれているようで、言わば「父から息子への助言」。
売れっ子ミュージシャンとして、ヒット街道を突っ走り、自分を追い込んでしまっているような
息子に対して、「ゆっくりでいいんだよ」と語りかけた、父の言葉なんですが、
日々目まぐるしく変わりゆく現代社会で、ひたすら情報にアンテナはって疲れ果てた
Z世代にとっては、「癒し」をくれる、優しい言葉となって、聴こえているようだ。
SNS情報
The official music video for "Vienna" is out NOW! 🎥 Watch: https://t.co/AMslhKETKR pic.twitter.com/MAy5ZrXERg
— Billy Joel (@billyjoel) April 12, 2024
参考・出典
「Vienna (Billy Joel song)」英語版Wikiによると、、、1977年のアルバム『ストレンジャー』に収録されている曲で、
シングル「ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー」のB面としてリリースされた。
歌詞の面では、ジョエルはウィーンの街を訪れた経験と、ジョエルが子供の頃に
家族を捨てた父親にインスピレーションを受けた。
ジョエルは「ウィーン」は老いの比喩であると述べたが、無意識のうちに
父親のことを歌っていた可能性もある。
Genius Lyrics注釈によると、、、
2008年 7月のニューヨークタイムズの記事で、ジョエルはこの曲を
「Summer, Highland Falls」とともにお気に入りの2曲の1つとして挙げている。
「なぜ僕がウィーンをあなたの残りの人生の比喩として選んだのか。
僕の父は、現在ウィーンに住んでいる。
僕は、彼を探し出さなければならなかった。
僕は 8歳のときから 23~24歳になるまで、彼とは会ってなかった。
彼はオーストリアのウィーンに住んでるが、僕はそれをかなり奇妙だと思ってた。
なぜなら、父がドイツを離れたのは、そもそもヒトラーという男のせいで、
結局はヒトラーが長年支配していた同じ場所に行くことになるからだ。
ウィーンは長い間、十字路だった。冷戦中、東側諸国、ワルシャワ条約機構諸国、
NATO 諸国のあいだにウィーンの街があった…
ウィーンは常に、オスマン帝国と神聖ローマ帝国の間の十字路だった。
したがって、ウィーンの比喩には十字路の意味もあるす。
ウィーンは交流の場、交換の場なのだ。文化が混じり合うところ。
ウィーンでは、おいしいビールが飲めるが、アルメニアのブランデーもある。
文化が混じり合う場所だった。
それで僕は、ウィーンにいる父を訪ね、街を歩いてて老婦人を見かけた。
彼女は90歳くらいだったと思うけど、道路を掃除していたんだた。
僕は父に尋ねた。
「この素敵な老婦人は、どうして道路を掃除なんかしているんだい?」
父は、こう言った。
「彼女は仕事を持っていて、役に立っていると感じることで幸せなんだ。
道路をきれいにすることで生活しているわけではないんだよ。」
我が国では老人をかなりひどく扱い、老人ホームに入れて、無視して、
まるで存在しないように見せかける。
彼ら[ウィーンの人々]はそうは感じていない。
世界の古い場所の多くでは、高齢者を大事にし、
高齢者は自分たちがまだコミュニティの一員でいられると感じている。
僕は思ったよ。
「高齢者は役に立つというのは素晴らしい考えだ。
つまり、老後もこの世界で役に立つことがあるので、
老いることをあまり心配する必要はないということだ」
「ウィーンがあなたを待っている…」と思ったんだよ。
この曲には、内面的なものもたくさんある。
始まりと終わりはとてもクルト・ヴァイル的だ。
あの病的で、中欧的で、変態的で、退廃的なもの…
キャバレーのようなもの…クレイジーなことがたくさん起こってる。
その結果が、バルカン半島の民族紛争で見られ、悲劇となっている。
今世紀はサラエボでの大公暗殺で始まり、
それが第一次世界大戦を引き起こし、
ロシア革命を引き起こし、その後大恐慌が起こり、
それが第二次世界大戦を引き起こし、冷戦を招いた。
すべてがわったが、サラエボでは依然として互いを粉々に吹き飛ばし合っている。
つまり、このすべてが中央ヨーロッパで起こっているのだ。クルト・ヴァイルだ。
そして作曲家たち、ドヴォルザークやスメタナはそれを捉えたのだ。」
ビリー・ジョエルは、ビルボードの1994年のキャリア回顧録など、他の機会に
この説明のほとんどを確認している。
こちらの記事によると、、、
ビリー・ジョエル(Billy Joel)の50年近く前の曲「Vienna」が現在、
Z世代の女性たちの間で人気だという。
ジョエル自身は、この曲への支持についてどう思っているのか?
ジョエルはかつて、この曲の支持は、2004年に公開されたジェニファー・ガーナー主演の
ロマンティックコメディ『13 ラブ 30 サーティン・ラブ・サーティ』の重要なシーンで
曲が使用されることに起因すると指摘しています。
この映画は、13歳の少女が突如として30歳の女性になったことから巻き起こる
騒動を描いたもの。「Vienna」は、両親と子供の頃の家の安らぎを求めて
街を逃げ出す際に流れます。
ジョエルは、この曲はリスナーに
「20代や30代で成功しようと必死になったり、
アメリカン・ドリームを実現させようと必死になったり、
競争に勝ち残ろうと必死になったりして、
自分を追い詰める必要はない。
あなたにはあなたの人生があるのだから」
ということを思い起こさせるものだと語っており、ジョエルは
「この映画は女の子に人気のある作品で、
この曲への熱狂のほとんどは女の子から来ている。
“ゆっくりでいいんだよ”という青春の歌なんだ。
だから若い人たちの心に響くんだと思う」
とも語っています。
あとがき
ところで、長年気になっていたんですが、、はて?英語「Vienna」が「ウィーン」?どうやら、ドイツ語「Wien(ヴィーン)」だったんですねぇ。。なるほど。。